2014年12月29日月曜日

年末、出店ラッシュでした!

今年ももうあと2日なんですね……。毎年何もしないうちに1年が終わってしまうような気がします。

でも12月は忙しかったです。何しろ、「南薩の田舎暮らし」が様々なところに出店しましたので。

どんなところに出没したかというと…

まずは加世田「歳の市」です。12月20日、21日にありました(出店は20日のみでした)。

うわー、暗い写真ですね。当日は朝から小雨が降るような天気で、人出はかなり少なかったです。正直、売り上げの方もイマイチでした。テキ屋さんもたくさん来ていましたが、多分赤字だったでしょうね…。

しかしこの「歳の市」、160年くらい歴史がある市だそうです。数十年前は、この市で正月のものが全て揃ったらしいですね。

次にその翌日のたゆカフェの「ゆったり市場」。

いやー、これも人が少なかったですね。この日は加世田「歳の市」の方が人出があったみたいですから、そっちの方に出店すればよかったな…と後から思いました(たゆカフェの方、勝手なこと言ってすいません)。

でも「ゆったり市場」は前からお世話になっていますし、ここ暫く商品がなかったり都合が悪かったりで出店できていなかったので、久しぶりに出店できてよかったです。でも次回はもっと多くの方に来てもらいたいです!

次に、ドルフィンポートで行われた「Favori Marche」というハンドメイドのイベントに12月23日に出店させてもらいました。

ここでは、なんとうちの隣が「西垂水養蜂園」でした! 知覧にある蜂蜜生産者さんです。ここの蜂蜜は、うちもコンフィチュールづくりに使ったことがあるんですよね。同じ南薩仲間ということで心強かったです。

そして、西垂水養蜂園さんの跡取り(?)さんが大学生なのですが、この方がすごく元気に売られていて、若いパワーを頼もしく思いました。私たちも頑張らないといけないです。

最後が、12月25日に地元大浦であった「ふれあい市場」です。

これは「市場」といっても、エーコープ(JA系列のスーパー)の駐車場の一隅で、JAがポンカンその他を販売するのと、地元の加工組合が加工品を売るのと、それから私たちだけという寂しい市なのですが、これはかつて大浦でも行われていた「歳の市」の名残なんだそうです。

かつては大浦でも歳の市が開かれ、木連口の通りはお店で埋まったとか。いつからその市がなくなったのかはよくわかりませんが、その名残として、大浦の農協が12月25日という平日にこういうイベントをやっているわけですね。JAとしても赤字のイベントみたいですけど、こういう取り組みを細々とでも続けるのには頭が下がります。

正直に言うと、全体としては売り上げはさほどでもなかったのですが、Facebookのお知らせを見て来てくれた人がいたり、「あなたが窪さん?」と声を掛けてくれる人がいたり、皆さんの応援が嬉しかったです。

振り返ってみて、事前のお知らせが不十分だったことが心残りでした。Facebookやブログに投稿するというそれだけのことも、なかなか出来ていないことは反省です。

今年も多くの人にお世話になり、なんとか「南薩の田舎暮らし」を続けられています。ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。よいお年をお迎え下さい。

2014年12月24日水曜日

かぼちゃの収穫

もう収穫から2週間以上経ってしまいましたが、先日かぼちゃを収穫しました。

以前ブログに書いたとおり、台風被害を受けたため収量がさんざんなことに…。本来は200ケースくらいいく予定が、たったの100ケースしか出荷できなかったのです。

その上、1kg以下の小玉サイズのかぼちゃ(言うまでもなく二束三文)が多かったですね。さらに、原因は明確には分からないのですが、病気や虫害によるキズものもかなりありました。

普段は、2kgサイズ(もっとも美味しい)が中心に採れるのですが、今回2kgサイズがたったの5ケース(!)しか採れませんでした。ネットショップでも販売することにしましたが、ほとんどないに等しいです。すいません。

>>南薩かぼちゃ(1玉2kg)

かぼちゃ不足は全国的な傾向らしく、北海道も不作らしいですし、海外産も少ないようです(円安の影響なんでしょうか?)。そのためかぼちゃの価格もかなり高くなっていて、都市部では小玉サイズで600円くらいするという話も聞きます。こういう時に豊作だとおいしかったんですけどね…。

ところで、今回3種類のかぼちゃを作ってみたんです。

第1にいつも通りの「加世田のかぼちゃ」。要するに「えびすかぼちゃ」で、これは農協出荷用です。

第2に、「えびすかぼちゃ」を無農薬・無肥料で栽培したもの。

第3に、「九重栗かぼちゃ」という栗かぼちゃを同じく無農薬・無肥料で栽培したものです。

無農薬はともかく、かぼちゃを無肥料で作るのは多分珍しいと思いますよ。かぼちゃのような果菜類(実を食べる野菜)は、無肥料だとなかなか大きくならないといわれていますので。

今回無農薬で作ってみたところ、確かに肥料がないと大きくならないですね。でも葉っぱは立派に繁りました。葉物野菜なんかは無肥料でもかなり収穫できると聞きますが、確かにそのようです(というより、葉物野菜の場合は無肥料が理想のような気がします)。

普通、葉っぱが立派に繁ると実も大きく立派になるのですが、どうしてかそうはなりませんでした。葉っぱは立派なのに実は大きくならないというのが不思議です。

その代わり、実がしまっていて、ずっしりと重い感じになりました。約30m一畝分つくって、たったのコンテナ1ケースしか収穫できなかったので自分では味見していないのですが、味の方は美味しそうな気がします。

そして、「九重栗かぼちゃ」は、栗系かぼちゃの最高峰の一つとされている品種です。今回、台風被害もあってこちらもマトモに出来ていないのであくまで試作品を食べた段階ですが、ホクホクしているだけでなくて、けっこうフルーティな味わいがあるかぼちゃですね。

前書いたとおり、着果(実がつく)率がものすごく低くて、商売で栽培するにはかなり難しい品種かなと思いますが、希少性はあるので新春にまた懲りずに植えてみたいと思います。

2014年12月19日金曜日

薩南製糖の砂糖いいですよ!

南薩の田舎暮らしでは各種のジャムを作っているわけですが、そのジャムの砂糖はほとんど全て「薩南製糖」から仕入れています。

薩南製糖は、枕崎にある製糖会社です。沖縄、奄美から仕入れた砂糖の原料(粗糖)を精製して各種の砂糖を作っています。ここの含蜜糖は本当に美味しくて、そのままペロペロなめたいくらいです。特にコーヒーに入れて牛乳を入れれば、美味しい「黒糖ミルク珈琲」ができちゃいます。

薩南製糖が販売している砂糖は、種類がたくさんあります。砂糖には、黒砂糖など糖蜜を分離していない黒っぽい砂糖と、糖蜜を分離して精製した白っぽい砂糖があるんですが、ここから黒、ここから白、というようなものではなくて、その中間にグラデーションがあるんです。白い砂糖の中でもクリーム色をした砂糖もありますし。

そこで難しいのが原材料表示! お客さんの中にはどのような砂糖が使われているのか気にしている方も多いです。最近は、白砂糖は体に悪いとかいう人もいるので、私たちも使っている砂糖をちゃんとお伝えしたいと思っているのですが、正直JAS(日本農林規格)に則って書くと黒と白の間の部分が全然伝わりません。規格上は白と黒がキッチリ分かれているので…。

例えば、現在販売中のジンジャージャムの場合、「島砂糖」という商品を使っていて、これは国内原料100%(鹿児島・沖縄産)のサトウキビから作られた「きなこ色」の砂糖です。でもこれ、JASに則って書くと単に「砂糖」なんですよね…(糖蜜が除かれているため)。これじゃ普通の廉価な白砂糖を使っていると誤解されてしまうかもしれません。

そもそも原材料表示は、中身に何が使われているか消費者へ伝えるものなのに、杓子定規にJASに従ってよくわからなくなるのは本末顚倒な気がします。

そこで、私たちのジンジャージャムでは、これから砂糖の原材料表示は「島砂糖」とすることにしました。これは薩南製糖がつけている商品名なんですが、これが一番わかりやすいという考えです。

その他、商品毎にいろんな砂糖を使っています。どんな砂糖を使うかで結構味や見た目が変わるんですよね。ジャムにグラニュー糖を使うとコクはないけど色が鮮やかになりますし、黒糖を使うと芳醇な味わいになりますが色はくすみます。そのあたりのバランスを見ながら砂糖を選んでいます。

先日、薩南製糖に砂糖を仕入れに行ったら、「この前いただいたジャム、美味しかったですよ!」と声を掛けて頂きました! 覚えていてくれたんですね。嬉しかったです。何かお土産を持っていけばよかったと後悔しました。いつもお世話になっております!

2014年11月5日水曜日

「珈琲を飲む会」のプチマルシェ出店者募集します!


11月23日(勤労感謝の日)に「南薩の田舎暮らし」主催で「海の見える美術館で珈琲を飲む会」を開催いたします!

既にホームページやFacebookなどでお知らせしている通り、絶景の笠沙美術館を借り切って、壮大な眺めを見ながらコーヒーを飲み、ゆるりと楽しもうというイベントなのですが、そこでちょっとしたマルシェ的なものも開催する予定です。

もちろん「南薩の田舎暮らし」はコーヒーにぴったりのスコーン(いつもは「紅茶にぴったり」って言って売っているんですけどね!)などなどを販売しますし、今回なんと知る人ぞ知る「ZAKCAR」さんにも出店していただけることになりました!

「ZAKCAR」は、加世田にあるオート・エスという自動車販売・修理の会社がやっているお店で、ごくたまーにしか見られないんです。車に関する雑貨を扱っていて、例えば本格的な車のおもちゃとかホントかわいいです。なんか「所さんの世田谷ベース」の世界みたいですよ!

……なんですが、まだ飲食店の出店申込がありません。いろいろ声は掛けたんですけど、同日に「かわなべ森の学校」で「モノ作りたちによる収穫祭」というイベントがあって、知っている出張販売の人たちが軒並みそっちに出るという事情もあり…。

というわけで、こういうのをWEBで呼びかけても難しいというのはよく承知していますが、マルシェ出店ご希望の方を大募集いたします!

こちらの希望としては、「コーヒーに合うお店であること」、それだけです! でも本音はパン屋さんに来てもらいたいです。何しろ自分たちの昼食を準備しなくて済むので!

出店ご希望の方はこちらのページにあるメールアドレスまでご連絡下さい。特に期限は設けませんが早めにいただけるとありがたいです。なお出店料は500円以下(検討中)。出店スペースは概ね3m×3mで電源は豊富にあります。出店場所はパティオ(中庭)または駐車場(ワゴンでの販売等)。

よろしくお願いいたします!

2014年10月25日土曜日

思うようにはいきませんが

世間はすっかりハロウィンですね!

というわけでうちのかぼちゃの近況報告を…。ハロウィンというとかぼちゃの収穫祭みたいな趣がありますが、うちのかぼちゃの収穫はまだまだ先です。南薩の夏は暑すぎてかぼちゃの栽培には向かないので、秋植えかぼちゃの収穫は12月になります。

そのかぼちゃですが、晩夏に2回も台風がきてしまい、かなりの被害を受けてしまいました…。今年は生育がかなり良好で、収量も相当多いのではないかと期待していたので正直ガックリきています。

ただ、もちろん収穫がゼロになるわけではないのでご安心を。

ところで、今年の秋は「九重栗かぼちゃ」というのも試験栽培で100株ほど植えてみました。これは、とにかくホックホクしていてめちゃくちゃに美味いという評判のかぼちゃです。そんなに高く売られているかぼちゃではないのですが、そんなに美味いなら作ってみたいと思い植えました。

が…、葉っぱはどこに出しても恥ずかしくないくらい素晴らしいものができて、これは収穫が期待できるぞと意気込んでいたところ、なぜか実がつかないという現象が発生…。どうしてなんでしょうね? 原因は不明ですが、秋植えだとこのかぼちゃには温度が足りなかったのかもしれません。

約100株で、たったの5個くらいしかかぼちゃの実がつきませんでした。こちらもガッカリです。でも来年春植えでまた試してみたいと思います。年に2回かぼちゃの栽培ができるのが南薩のいいところですね!

農業はなかなか思うとおりにはいきませんが、自然相手の面白さもあります。とはいえ、台風だけは来ないで欲しいですね。台風には勝てません。

2014年10月22日水曜日

「黒糖」のコンフィチュール、超限定でおすそ分け!

ものすごーく期間限定で、「黒糖」のコンフィチュールを販売します!

先日地元で「大浦まつり」というイベントがあったのですが、そこに「南薩の田舎暮らし」も出店しました。イベントでは、スコーンとクッキーが大人気ですぐに売り切れてしまいました。お買い上げいただいたみなさん、ありがとうございました! 特に、決して安くはないクッキーを買ってくれた子どもたち! 本当に感謝です。

さて、その日のために特別に作った「黒糖」のコンフィチュールをインターネットでも期間限定で販売することになりました。ほんの少しだけしかないので本当に限定販売ですが…。

ちなみに、黒糖は薩南製糖のものを使っています。薩南製糖は枕崎にある黒砂糖の会社で、ここの黒砂糖は甘いだけなじゃくてコクがあって、本当に美味しいです。ちなみに枕崎の工場に行くと、サトウキビの(絞り汁の)香りがします。甘い香りというより、ちょっと酸っぱいような香りです。

この薩南製糖の黒砂糖と、生クリームと、ほんの少しバターをいれて、クリーミーでキャラメルみたいなコンフィチュールを作りました! パンに多めに塗って食べるのがオススメです。原材料にはほぼ甘み成分しかないようなんですが、甘いだけじゃなくて黒砂糖のコクがあります。

黒糖のコンフィチュールはほとんど売っていない商品だと思います。10月26日(日)までの限定販売なので、この機会をお見逃しなく!

→【期間超限定】南薩コンフィチュール「黒糖」(リンク切れですすいません)

2014年9月26日金曜日

ぬいぐるみツアー(その5)

旅の最後は笠沙です。海のレジャーの複合施設「笠沙恵比寿」にやってきました。

ランチは「タカエビ丼」! タカエビは とても美味しくて貴重な深海エビです。ちなみにタカエビの漁期は9月1日から。旅程が延びたおかげで味わうことができました。


笠沙恵比寿には宿泊施設と博物館、それから釣りやクルージングができる設備もあります。建物や内装、調度品のデザインは水戸岡鋭治さん。「ななつ星in九州」、など電車デザインで有名な方です。

そして、旅の終わりは笠沙美術館へ。沖秋目島という無人島を望む、その景色自体が美術品みたいな小さな美術館です。


こちらの南欧風の建物のデザインも水戸岡鋭治さんだそうです。屋上の展望所で沖秋目島と一緒に記念写真を撮って、南薩の景色にお別れしました。


これで楽しかった「ぬいぐるみツアー」も終わりでした。ツアー後、ぬいぐるみさんたちはお土産とともに、それぞれのお家へ帰ってきました。短い間でしたが、ぬいぐるみさんたちと少し仲良くなれた気がします。

ちなみに、いろんなお土産をつけたのですが、終了後のアンケートでの一番人気は「とも屋のよもぎべったい」でした!

参加されたぬいぐるみさんたち、そしてそのご家族の方々、ありがとうございました!

2014年9月24日水曜日

ぬいぐるみツアー(その4)


秋目(あきめ)という港に来ました。ここは、奈良時代に鑑真が日本にようやくたどり着いたという記念の地です。
秋目唯一の民宿「がんじん荘」に行ったら、旦那さんの上塘(かみとも)さんが「ちょうど今船が出るから乗っていかない?」と言ってくれました!

天気に恵まれない旅でしたが、船の上は気持ちよかった! でもこの航海のため日程が遅れて、残りの旅程は3日目に繰り越すことになりました。

ちなみにこの船は、釣り人を近場の岩まで乗せていくところでした。海に突き出たただの岩場で、大波が来たらさらわれそうなところでしたが、釣り人さんはそこで明朝の6時まで夜通し釣りをするんだそうです。びっくり。


次の日は亀ヶ丘からスタート。東シナ海を見下ろす小高く険しい丘です。本当なら一番景色がよい所らしいですが、天気がいまいちで霞がかっていました。残念!


それから海道沿いの国道226号線をドライブ。「南さつま海道八景」という絶景めぐりです。大当(おおとう)にある小さな海水浴場では貝殻も拾いました。天気がよければもっときれいな写真がどっさり撮れたのになあ!


(つづく)

2014年9月21日日曜日

ぬいぐるみツアー(その3)


次は坊津(ぼうのつ)へ足を伸ばしました。坊津は、古代から中世にたいへんに栄えた港町だそうです。藩政時代は、琉球との密貿易もやっていました。今では交通アクセスが悪いところですが、昔は薩摩の玄関口だったとか。これは坊津のシンボル双剣石!


坊津には、かつて一乗院というとても立派なお寺があったそうです。伝説ではものすごく古くからあるお寺だったと言われ、かつては薩摩三名刹の一つとされていました。でも明治初めの廃仏毀釈によって無残に壊されて、今では仁王像などが残っているだけです。一乗院跡は小学校の敷地になりましたが、その小学校も近年廃校になりました。


古くからの港町ということで、石段、石垣、小道、家並みが面白かったです。でもこんな道が狭くて坂が多いところは、自動車社会になってしまうと不便ですね。


丸木崎展望所からは坊津の街並みが一望できました。まるで沖縄のように海の色がきれいで透明度が高かったです。

(つづく)

2014年9月16日火曜日

ぬいぐるみツアー(その2)

枕崎へやってきました。枕崎はかつお節の街として有名です。本枯節(高級なかつお節)の生産量は日本一です。

枕崎には、本土最南端の始発・終着駅があります。北海道の稚内から続く線路が、ここで終わりになるんですね。つい最近できた駅舎もありました。電車は一日6本だそうです。でも、不採算路線なので廃止も検討されているらしいです。


枕崎の街は、街全体がかつお節の香りに包まれています。それくらい、かつお節を作る工場がたくさんあります。その中の一つの工場で、ちょっとだけかつお節づくりも見せてもらいました。


枕崎の街には、あちこちにかつお節を燻すためのマキも積んでありました。きっちりと積んであるのでとてもきれいです。


お土産には、かつお味噌を買いました。「枕崎お魚センター」にある「まるた屋」の人気商品です。

その後、火の神公園に行って、立神岩と枕崎の街を遠望しました。

(つづく)

2014年9月10日水曜日

ぬいぐるみツアー(その1)

昨日、「ぬいぐるみで行く 南薩 民泊ぷちツアー」の全日程が終わりました(つまり、我が家に来ていたぬいぐるみさんたちが、お土産を携えてそれぞれの家に帰っていきました)。

今回、ぬいぐるみさんたちの写真をアルバムにしてお土産につけたのですが、せっかくなのでアルバムの写真と旅行内容をちょっとだけ紹介します。


南薩の旅の始まりです。まずは加世田の竹田神社で旅の安全を祈願しました。
ここは島津忠良(日新公)がまつられている神社です。
日新公は戦国時代の人で、島津家の鹿児島支配を確立した島津中興の祖らしいです。イヌマキとクスノキの古木が立ち並ぶ神社でした。


神社には、日新公いろは歌の石碑がならんでいる「いにしえの道」があります。日新公いろは歌は、人としての心構えを説いた47首。

ホームステイ先の窪さん宅は、築約百年になる古民家です。家の半分はリフォームされていますが、立派な梁はそのままです。長い間ススで燻されていたので真っ黒になっています。


窪さんは農業を営んでいます。ぬいぐるみたちみんなで農作業を手伝いました。かぼちゃの種を植えて、タンカン(和風のオレンジです)の実を間引いて、そしてアボカド畑の草取りをしました!


ぬいぐるみが植えたかぼちゃは12月に収穫するそうです。ちなみに、アボカドが実るのは2〜3年後だそう。

(つづく)

2014年8月25日月曜日

3種類のお米


先日、自家用で作ってるお米の収穫が終わりました。といっても刈り取り委託(コンバインを持っている農家さんに刈り取りや乾燥をお願いすること)なので自分ではほとんど何もしていませんが…。

今年は、以前も紹介したように無農薬・無化学肥料で作ったのですが、試験的に3枚の田んぼで条件を変えてやってみました。

1枚目は、冬に鶏糞堆肥を非常識なくらいたくさん入れたもの。
2枚目は、かぼちゃの後作で残肥(利用されずに畑に残っている肥料成分)があるような田んぼに、少量のボカシ肥(有機質の手作り肥料)をいれたもの。
3枚目は、完全に無肥料でつくったもの。

どれが一番よいお米ができたと思いますか? 私の予想では、2枚目が一番元気な稲ができると思っていたのですが、実際は、完全無肥料の3枚目の方が元気がよかったです。昔からお米は肥料でなくて地力で作ると言われていますが、それを実感しました。

ちなみに、全然ダメだったのは1枚目の鶏糞堆肥を大量投入した田んぼ。幼苗の頃は虫がつきましたし、生長期にも株が充実せず、ずんぐりした格好の稲になりました。また、色がとても悪く青黒いような葉っぱになり、しかも収穫期になっても葉色が褪せませんでした。米作りにおいては、多肥は厳に慎むべきというのがよくわかりました。

でもそれ以上に感じたのは、水管理の重要さです。この3枚の田んぼ、見た目からしてかなり違ったのですが、この3枚の平均的な違いよりも大きな違いが、実は1枚1枚の田んぼの中にあります。

それは、取水口付近の稲と、排水溝付近の稲の違いです。当たり前のことですが、取水口からは冷たくて新鮮な水が流れ、排水溝からはぬるくなって、若干汚れた水が出ていきます。そして、取水口付近の稲というのは、常に元気で大きく、丈夫でみずみずしいのです! 逆に、排水溝付近の稲は、小さくて分ゲツ(株ごとの稲の本数)が少なく、病気にも冒されやすいです。田んぼの様子を見てみれば、稲作にとってきれいな水が大量にあるというのがいかに重要かが、一目瞭然です。

実は、稲は必要な栄養のかなりの部分を水から取っているので、土にはチッソとリン酸成分さえあれば、他の栄養素はさほど必要としないのです。というか逆にいえば、新鮮な水が十分に行き渡らないといくら肥料をやってもダメということになります。

というわけで、今年は若干極端な実験をしてみましたが、米作りにおいては肥料は重要でなく、むしろ無肥料でもさほど問題ないということと、より重要なのは水管理であることがよくわかりました。もちろん経済栽培する場合は、品質だけでなく収量も大事なので、無肥料で作り続ければ収量が漸減していきますから完全に無肥料を続けるのは得策ではありません。

来年からは少量の有機質肥料を使って、引き続き無農薬・無化学肥料の米作りを続けて行きたいと思います。

2014年8月17日日曜日

ぬいぐるみで行く南薩の夏休み、参加者募集中です!


最近いろいろなところで行われているアレを南薩の田舎暮らしでもちょっと真似してやってみることにしました!

持ち主の代わりにぬいぐるみが旅行して、写真アルバムが手元に届くというアレを。

でも内容はどこよりも本格的。ぬいぐるみだからって容赦しません。地味で辛い農業体験をしたら築約百年の古民家に民泊、そして日常に戻れなくなるような絶景を眺めるドライブをします。

さらに、アルバムだけじゃなく南薩のお土産までお手元に届きます。ここまでやったらもう「真似」じゃないですよね!

【お申し込みはこちらから】
ぬいぐるみで行く 南薩 民泊ぷちツアー(申込期限8月23日(土))

ところで、この「ぬいぐるみツアー」、まだ申込はもの凄く少ないのですが、ネット上ではけっこう話題にしていただいてます。ブログにも2件書いていただきました! よければリンク先もご覧ください。

変なツアーが行われると聞いて。ぬいぐるみで行く南薩民泊ぷちツアー!!(1泊2日)|KAGOSHIMA TIMES SQUARE(リンク切れ)
「ぬいぐるみで行く 南薩 民泊ぷちツアー」|Piyo Piyo Square

2014年7月4日金曜日

春かぼちゃ


先日、かぼちゃの収穫が終わりました。

世間でのかぼちゃの旬はいつだか分かりませんが、こちらではだいたいGWくらいから始まり、7月中旬までで早出しのかぼちゃが終わります。かぼちゃはけっこう涼しい気候(正確には寒暖の差がある気候)が好きですから、真夏でもできないことはありませんが、暖かい南薩ではこれくらい早い方が品質のよいものができます。

今期は、かぼちゃの花が咲いて実がつくくらいまではとても順調で、大きなよいかぼちゃがたくさん成りました。ですが、5月始めくらいに台風のような天候の時があって、随分葉っぱが傷んでしまいました。

そのせいなのかどうなのか、熟期が遅れてしまい、完熟したのが6月下旬の梅雨まっただ中。天気のせいでなかなか収穫ができませんでした。かぼちゃは、成り口(果梗)が乾燥しないとすぐにカビが生えてしまうので、晴れた日にしか収穫ができません。

そんなわけで収穫日がずるずると後ろ倒しになり、梅雨の合間に少しずつ収穫していたら、最後の方はもう過熟な感じになってしまいました。

かぼちゃが熟れすぎるとどうなるか、というと、簡単に言うと持ちが悪くなります。かぼちゃというと1ヶ月くらい保存しても平気な印象があると思いますが、熟しすぎるとすぐに悪くなるんですよね。味も、ベストではなくなります。そしてなにより、収穫が遅れるとなぜか内部から割れたり、表面にキズが入ったりして商品性が無くなってしまいます。

そんなわけで、最後に収穫した分は全部農協に出荷して、最初の方に収穫したものを「南薩の田舎暮らし」で販売することにしました。収穫、というと簡単に思いますが、「今だ!」というベストな時に収穫するのは意外と難しいんですよね。

2014年7月3日木曜日

すももの品種がわかりません


現在ネットショップでも販売中の"南薩コンフィチュール「すもも」。実は私たちもよくわかっていないことがあります。それはすももの「品種」。

大浦町では以前栽培振興されたとかで、すももの樹が随所にあります。結局、産業としてはすもも栽培は成り立たなかったので、みなさん家庭用で消費されているんですが、この時期になると「大浦ふるさとくじら館」では、すももがドッサリ売られています。

しかも、家庭用の余りを物産館に持ってくるわけで、それで儲けようとしていないのです。だから、激安です。1キロで100〜150円が相場でしょうか…。日本一すももが安い物産館だと思いますよ、実際。

で、物産館で売っているすももと「南薩の田舎暮らし」のコンフィチュールになっているすももでは、実は品種が違うんです。物産館で売っているのは、果皮が硬くて未熟な時にかなり酸っぱい品種なんですが、うちのは果皮が軟らかくて薄く、未熟な時でもあまり酸っぱくない品種です。熟す時期も2週間くらい違います。

でも、その品種名がよくわからないんですよね。10数年前に親戚が植えたみたいなんですが、もはや正確な品種名が分からなくなってしまいました。すもも栽培のプロに聞けば分かるんでしょうが、このあたりにはすももの専業果樹農家もいませんしね…。

そして、うちのすもも、物産館で売っているものより圧倒的に美味しいんですよ、悪いけど。その代わり日持ちもとても悪くて、2、3日でダメになってしまいます。美味しいのに日持ちせず商品性が悪いので、コンフィチュール(ジャム)に加工して売ることになりました。

そして、家庭での栽培だから当たり前ですが、無農薬はもちろん無施肥ですし、完熟果だけを樹上で採っていますから生食でもすごく美味しいです。それをジャムにしているわけですから、いいものができないわけがありません。素材がよいと美味しいものを作るのは楽ですね。

でもこのコンフィチュールをもっとたくさん作っていこうと思うと、すももの木を増やしていかないといけません。でも品種が分からないのでどうしたらよいか…。果樹苗木のカタログで見たり、インターネットで検索してみても、いまいち「コレだ!」ってのがないんですよね。

大浦町が栽培振興しようとしたいくつかの品種の中の一つであることは間違いないので、当時のことを覚えている方がいらっしゃいましたらどのような品種があったかぜひ教えてください。

■ご購入はこちらから → 南薩コンフィチュール「すもも」

2015.6.8追記
町内の方から、「それはメスレーという品種だよ」と教えてもらいました。ありがとうございました!

2014年5月14日水曜日

かごしま遊楽館 その1


ブログ更新が遅くなってしまいましたが、GWは埼玉の実家に娘二人(3,0歳)を連れて帰ってましたー!!
パパは農作業があるのでお留守番です。

で、折角都会に来たので、東京は有楽町にある鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」に行って来ました!
いつかここに出品する為の下見…という訳でもないようなあるような(笑)

子どもを連れて行きにくい場所ではありますが、他の用事もあったので、子ども達と私の母と4人で行って来ました。


さて、このお店、
 1階 食品のお土産ショップと観光案内コーナー
 2階 郷土料理のレストラン
 3階 工芸品の展示、販売
となっています。

何年も前、旦那さんと付き合っていた頃に一緒に来たことがありましたが、よくある普通のおみやげ屋さんという印象でした。
でもこのお店、いつも人が多い!
売上も凄いらしいです。鹿児島が人気というより、立地が凄くいいからだと思っていますが。。。


1階は人が多そうだったので、とりあえず、行ったことの無い3階から行ってみる事に。

エレベーターで3階に上がると、大きな西郷さんの像が入り口前でお出迎えしてくれました。
そういえば、鹿児島の人って西郷さんが大好きだよなぁ。
色んな所でグッズとかイラストとかを見かけるし、呼び捨てにすると怒られるとかいう話も聞いたことが…
私も結婚してからは「西郷さん」とよんでいます。鹿児島弁では「せごどん」と言うそうですが、発音が難しすぎて正確に言えません。

店内に入ってみると、意外な事にこちらはお客さんがゼロ。がらんとしています。
でも見てみると、商品は面白いものがいっぱい!
鹿児島関連の本に、薩摩切子や黒じょか、鹿児島生まれの化粧品などなど。なんで人少ないんだ??というかんじです。
更に奥に行ってみると…

「さつまけんし はやと!!!!」

ことちゃんも大喜び!私も大好きなご当地ヒーロー「薩摩剣士隼人」のグッズコーナーがあるではないか!!!

「こんなに色々グッズあるんだ〜」
と見ていると、ことちゃん、隼人のソフビ人形が欲しくなってしまったご様子。
いやいや、人形は買わないよ。さっきもお土産買ったし、この後、東京駅のプリキュアショップ行くんでしょ。
説得しようとしましたが、どうしても諦めきれないことちゃん。
「プリキュア行かなくてもいい」
とまで言ったので、隼人を買ってもらいました。

なぜ東京で隼人…
でもとっても嬉しそうなことちゃんでした!

その2へ続く。

(n)

2014年4月20日日曜日

南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」のレシピを紹介

現在販売中の南薩コンフィチュール第2弾「金柑とたんかん」が好評です。

このジャムは、昨年自家用に作ったジャムがモトになっています。近隣の先輩農家からいただいた金柑とうちで作っているたんかんがちょうど家にあったので、家内がそれでジャムを作ったんです。それがとても美味しかったので、「これは是非商品化すべき!」と家内を説き伏せて、ようやく今年の販売に漕ぎ付けました。

このジャムは、金柑の皮とたんかんの果肉で作られているのですが、濃厚な甘みと軽やかな苦みがある金柑と、爽やかなたんかんの相性は抜群です。偶然家にあった材料で作ったわけですが、とてもバランスのよい組み合わせだと思います。金柑はともかく、たんかんは鹿児島以外ではあまり見かけない果物ですから、この2つが同時に家にあるという偶然はこの地域ならではですね。

有り難いことに、ご購入いただいた方からも「ちょっと高いけどオススメ!」「甘すぎず金柑の苦みがあって美味しい」「普通のマーマレードは苦手だけどこれは美味しかった」といった感想や口コミをもらっていて、事実ちょっとお値段高めですが売れ行きも好調です。

このジャム、製造はもちろん家内の手作りですが、美味しく仕上げるためにとても手間がかかるというので、先日加工所にお邪魔して(加工所内は家内の領域です)、レシピを取材してみました。少し説明が細かすぎるきらいもありますが、どうやって作るのかご紹介します!

まず材料。
金柑……………約1kg
たんかん………約1kg
グラニュー糖…約800g
レモン汁………レモン1/2個分
です。これだけです。

(1)下ごしらえ編

まずは金柑の下ごしらえから。金柑の皮にある小さな傷の部分を除去します。この金柑は、大浦で一番美味しい金柑を作ると評判の樋野さんの金柑を使っていますが、傷物を格安で分けてもらっていますので、ちょっとだけ傷があるんです。ぱっと見では気づかないくらいの小さな傷なのですが、これを残していると食感と見た目が悪くなるので全部丁寧に取り除きます。


次に金柑を切ります。ざくざく切ります。


切った金柑を、皮、種、それ以外の部分(果肉と薄皮)に分けます。この作業が面倒です。種は苦いので捨てますが、「果肉と薄皮」は重要です。ここにはジャムを固めるために重要な物質、ペクチンがたくさん含まれているからです。


金柑の「果肉と薄皮」をフードプロセッサにかけて粉砕します。


ジャムのメインの材料である皮もフードプロセッサにかけて粉砕します。ただ、あまり細かくしてしまうと皮の食感がなくなってしまうので、軽くかけるだけにします。


次はたんかんです。たんかんは当店で売っているものと同じ、自家農園で栽培している無農薬たんかんです。

まずたんかんの皮を包丁で螺旋状に剝いていきます。手で剝くと白い薄皮の部分が残ってしまうので、包丁でやります。ただ、皮の方に僅かですが果肉がのこってしまいますので、ここの果汁だけ手で搾ります。実は、たんかんは皮についている際(きわ)の所が美味しいので、本当に細かい作業ですが一つひとつ行います。


次に、たんかんの果肉だけを包丁で切り出して分離します。薄皮の部分を入れると苦くなってしまいますし、食感も悪くなりますので小袋から一つひとつ果肉を分離していきます。果汁を搾るというのも一案ですが、そうすると果肉が入らないので面倒ですがこういう作業をやっています。


果肉をジューサーミキサーにかけて液状にします。つぶ感が少しだけ残るように軽くかけます。


(2)ペクチン準備編
実は、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。柑橘類の果肉にはほとんどこのペクチンが含まれておらず、主に皮と小袋の薄皮(じょうのう膜)に含まれているんです。そこで、金柑からペクチンを抽出する作業を行います。


先ほど用意した金柑の「果肉と薄皮」を鍋で煮ます。ちなみに、銅製の鍋を使っています。銅鍋は、熱伝導率がよいのでジャムには最適なんですよ。「じっくりコトコト」というのが丁寧な感じがしますが、ジャムは強火で短時間で仕上げるのが美味しいと言われています(長時間煮込むと、ジャムの食感を左右する高分子が壊れてしまうからです)。そして、理屈はよくわかりませんが銅鍋で作るとジャムの色も鮮やかに仕上がります。ただ、銅鍋はもの凄く錆びやすいのでお手入れが大変です。


「果肉と薄皮」を煮ていると、だんだんとろみがついてきます。このとろみの正体がジャムを固める物質「ペクチン」です。


これをザルで濾して、ペクチンがたくさん含まれている液体部分だけを取り出します。濾さないで全部をジャムに入れてしまうと、食感が悪くなるだけでなく、金柑の味が強く出過ぎてしまい、たんかんとの味のバランスが悪くなります。


ヘラで押すようにして絞り出します。


これで、ペクチンが豊富に含まれた液体ができました。ちなみに、こんな面倒な作業をするくらいなら、売っているペクチンを添加した方が早いんじゃないかと個人的には思っていますが、家内には自然の材料だけで作りたいというこだわりがあるみたいです。


(3)鍋で仕上げる編

ようやく本番です。「フードプロセッサにかけた金柑の皮」と「ミキサーにかけたたんかん果肉」を鍋に混ぜ入れ火にかけます。


火を通しながら、ここまで除去しきれていなかった種がないか確認します。もしあればもちろんアミで取ります。当然ですがアクも取ります。


ぐつぐつしだしたら、金柑の果肉と薄皮部分で作ったペクチン豊富な液体を投入します。ちなみに、ここで使っている金柑は、傷がなければブランド金柑「春姫」として出荷されるはずだったものです。ですから、皮も甘くて柔らかく、生でも美味しいです。普通の金柑の甘煮は結構煮詰めると思うのですが、この美味しさを損なわないように手早く火を通します。


さらに砂糖を投入。砂糖は分量を一度に入れないで、何度かに分けて少しずついれます。というのは、糖度を一気に高くすると金柑の皮が固くなってしまうのだそうです。


金柑やたんかんに含まれている糖分は毎回少しずつ違うので、製品の糖度を一定にするために砂糖の分量を微調整しなくてはなりません。そこで、ある程度砂糖を投入したら、適宜ブリックス計(糖度計)で糖度を計りながら砂糖の量を調節します(ブリックス計は、含まれているいろいろな糖分をショ糖に換算して全体の糖度を計る機械です)。最終的には、糖度をだいたい50度くらいに調整します。ジャムの糖度は40〜65度くらいで、50度という糖度はジャムとしては普通くらいの甘さです。


また、レモン汁も入れます。レモン汁を入れるのは酸の補給のためです。もう一度書きますが、ジャムは「糖、酸、ペクチン」という3つの物質がバランスよく混ざっていないと固まりません。たんかんに含まれている酸だけだと足りないため、レモン汁で酸を足してやるんですね。


鮮やかな色に仕上がりました。できあがったジャムはガラス瓶に詰めます。でもこれで完成じゃありません。保存食品なので、殺菌が大事です。


使用するガラス瓶は、中性洗剤で洗った後に蒸し器を使って高温殺菌しておきます。


そして、ジャムを入れた後も、脱気(酸素が瓶の中に残っていると雑菌が増える要因になるため酸素を抜く)と殺菌(高温で雑菌を死滅させる)でそれぞれ15分ずつ蒸し器で蒸します。これは、理想的にはお湯につけてやる方がいいんですが、施設の関係上蒸し器でやります。お湯の方がいいのは、温度調節ができるからです。蒸し器だと水蒸気による殺菌なので100℃しかできませんから、ときどきガラス瓶が割れてしまいます。


ラベルを貼って完成です。ラベルはうちにあるレーザープリンタで作っています。本当は印刷所に頼みたいのですが、経費削減の関係から今はプリンタのお世話になっています。近いうちにちゃんとした印刷のものに変えていきたいですね。ちなみに、たった14個のジャムを製造するのに、3時間以上かかっていました。


今回取材してみて、「金柑とたんかん」のコンフィチュールはもの凄く手間がかかっていることが分かりました。作っている本人は、製造過程の一部を企業秘密にしておきたかったみたいですが、あまりにも手間がかかるので、仮に公開しても誰もこの通りに作る人はいないんじゃないかと言って全部書いてしまいました。

1つ500円以上するのでジャムとしては割高な商品ですが、工程が多く丁寧に作っているので値下げして売ってはいけないと再認識しました!

ご購入は「大浦ふるさと館」またはこちらから→南薩コンフィチュール「金柑とたんかん」