2015年8月29日土曜日

三歩進んで二歩下がる。台風15号。

台風15号、やってくれました。


正直、油断していたかもしれません。このところ強い台風が直撃という経験はなかったので。それでも一応鹿児島県民、十分な台風対策はしていたつもりです。でも対策が無力になるほどの台風でしたね。

2日半の停電も大変でした。停電で闇夜の中、長女(5歳)が発熱。40度くらいの高熱が出てしまいました。なんでよりによってこんな時に…。悪いことは重なるものです。

でも太陽光パネルのお陰で、日中太陽が出ている時には電気を使えたのはいいことでした。冷蔵庫の中のものを全部廃棄しないで済みました。

ところで、被害状況を気にして下さっている方も多いようです。被害写真を載せると、なんだか同情を買うためにやっているようで気が引けますが、この場を借りてご報告したいと思います。

まずは倉庫系。
納屋の隣に手作りで作った機械入れの物置は、バラバラに壊れてしまいました。ガルバリウムの屋根が本宅の方まで飛んできて、台風の中、雨戸にガッタンガッタン当たっていました。他の方の家に行かなかったのがよかったです。

農業用倉庫(これはちゃんと業者さんに建ててもらったもの)の横に、これまた自分で増設していた物置も基礎から何から吹き飛ばされてしまいました。納屋の横の方はちゃちな作りだったので仕方ないとして、こっちは風が当たるところだから丈夫に作ったつもりでしたがあっけなく。やっぱり手作りはダメですね。保険もかけてなかったし。

次は農作物。
一番残念だったのが来年あたり実をつけそうだったアボカドの木が半分以上倒れたこと。ダメもとで起こしましたが生きてくれるでしょうか。

ちなみに、アボカドは台風が来る前にビニル被覆鋼管(緑色のパイプ)に結束して倒伏しないように対策をしていました。が、鋼管自体がポキポキ折れていてあまり意味がなかったようです。このくらいの大きさの木になると、やはりφ60mmくらいの木の杭じゃないとだめかもしれません。

次はポンカン。ポンカンも折れたのがチラホラ。でも元々ポンカンは弱った老木が多かったので、もうこれはしょうがないものとあきらめがつきます。

一番被害額が大きそうなのはしらぬい(デコポン)! 今年もちゃんと実をつけてくれていたお利口さんの木たちでしたが、半分以上倒伏しました。しらぬいは直根(地中深くに潜っていく根)が伸びにくく、根が横に広がっていく性質があるので倒伏しやすいのだそうです。

しらぬいの根がガバっと露わになっています。このまま諦めるのもイヤなので、これからユンボを使って木を起こしてみようと思います。

ちなみに、これはしらぬいが植えられているところの横に倒れてきた椿の大木。こんな太い木が根元からバキッと折れるくらいの風なので、栽培植物はひとたまりもないですね。

ちなみに、いちいち写真は撮りませんでしたが苗木は8割くらい倒れていました。でも苗木だからまた生き返ってくれるものと期待しています。一度根がぐらつくとなかなか樹勢が戻りませんけどね。

逆に、被害を受けなくて済んだものは、まずはこの前植えたばかりのアボカドの苗。台風直前に支柱を補強したのがよかったみたいです。それからタンカンの木。タンカンって丈夫なんですかね? 特に対策はしていなかったのに落果等もなく被害がなかったです。

それから、幸いなことにというかなんというか、かぼちゃもまだ植えていなかったので被害がなかったです。本来はもう植えていないといけない時期なんですが、このところの悪天候で作業が遅れて被害を免れました。

でもせっかく準備しましたが、かぼちゃの栽培は今秋は縮小しようと思います。台風後の後始末で手一杯そうですし、天気が悪いのが続く時は田んぼでのかぼちゃ栽培はうまくいかなさそうです。今日、大雨の中、最低限のところだけ種を播いてきました。

ところで、大浦町内の農家はやはり少なからず被害を受けていて、特に倉庫、ビニールハウスなどの施設系がやられています。野菜みたいな一年もののの被害は、まあその時限りなので諦めるとしても、果樹とか倉庫とか、積み上げてきたものが失われるのは大変ですよね。三歩進んで二歩下がる、みたいな感じです。

あまり気張って復旧させようとせずに、また一から基礎を造っていくつもりでやっていこうと思います。

2015年8月22日土曜日

うまくいかない

秋かぼちゃの作業が始まっています。

しかし、なんだかうまくいかないです。既に今年の秋かぼちゃは諦めた方がよいような雰囲気が漂っています。

というのも、秋かぼちゃは、早期水稲の水田跡を使って栽培するのですが、梅雨の長雨のせいでお米の収穫が遅くなり、予定していた圃場が予定していた時期に使えなかったんです。それで代わりの水田を使うことにしたんですが、ここは排水がとても悪い!

そしてここへきて天気が不安定です。梅雨明け後のあの異常な乾燥はどこへいったんでしょうか? おかげで作業が押せ押せになっています。

先日、雨の合間に堆肥を振りましたが、これは人力なので本当に疲れます。15kgの堆肥を約100袋撒布しました。考えてみれば1.5トンもの堆肥を手の力で撒布してるんですね。でも意外と腕の筋肉は疲れなくて、むしろ足の方に疲労があります。

そして、かなり遅れてしまいましたが19日に溝を切りました。かぼちゃはベチャベチャしたような排水が悪い土壌を嫌うので、水田跡で作る場合は排水対策が一番肝心なんです。でも天候が悪かったりで溝を切るのが遅れてしまいました。堆肥を振る前にすればよかったかもしれません。でも堆肥を振るのが播種直前になるとそれはそれで悪いんですよね…。

ちなみに、溝を切るのは、トラクターの後ろに溝切り機をつけて、深さ20cmくらいの溝を切っていく作業です。でも機械でやりきれない細かい作業は鍬を使って掘りますので、これもかなりの重労働です。

でもここ、元来かなりの湿田なので溝を切ってもうまく排水されず、土が泥のままなかなか乾いてくれません。うーん、このままではマルチ(栽培するところの土を覆うビニルみたいなやつ)も張れませんし、仮に張って植えたとしても生育が悪いのは目に見えています。

こういうときは無理に栽培しないで、諦める方がいいのかもしれません。文字通り、骨折り損のくたびれもうけになってしまいそうなので。気持ちを切り替えて別のことをするか、あくまでかぼちゃを愚直に頑張るか。カッコイイ言葉でいえば経営判断。

うーん、難しいです。

2015年8月18日火曜日

バッチリ! な、お米じゃなくてすいません

今日、お米の配送作業が全て終了しました。

全て、といっても全部で200kg程度のことですから、大したことはないはずですがなかなか骨が折れます。

近所のコイン精米で精米したお米を計量して10kg米袋に詰めていく作業は、力がいるわけでもないのにやってると汗がダラダラ出てくるんですよね。

もう一つ汗が出ると言えば、今年のお米、かなり青米が混じっていて最初に見た時イヤな汗が出ました。お、これはやばいぞ、と…。

今年は6月の長雨と低温で相当稲の生育が悪く、収量も平年の6割程度というかなりの不作でした。お米って不作の年でも8割程度はあるものなのに、6割というのは図抜けてます。ジャンボタニシの被害が1割あるにしても、大不作ですね…! お米の専業農家の人は大変だこりゃ。

その上、6月の低温が原因ではないかと思いますが生育のバラツキも大きかったです。それで写真みたいに、まだまだ青いお米がかなり混入することとなりました。精米すればこの青いお米も普通に白い米になりますし、5%程度青米が入っていた方が美味しいといわれておりますが、20%くらい青米が入っているとさすがにちょっと気が引けます。

せっかく今年から販売ということになったのに、なんか品質がバッチリでなくて心苦しいです。これでもご購入頂いた方からは「美味しかった!」という声をいただいているので一安心ではあるのですが、やっぱり自分で食べてみた評価としてバッチリではありません。

というわけで、来年はお米をもっと美味しく作りたいですね!

今年は6月の長雨と低温も痛かったですけど、それ以前の初期生育もあまりよくなかったので、そのあたりが反省点です! でもほとんど無肥料で作ったので、そこはしょうがないんですかね…。

2015年8月5日水曜日

草払いは過酷

夏バテ気味です…。というか完全に夏バテです。

この酷暑の中で草払いばっかりしてて、元気いっぱいっていう方がおかしいですけどね!

ところで、農業とは全く関係ない方と初めてお会いした時なんかに、「どのような作業をしているんですか?」と聞かれる時があります。「春と秋はかぼちゃを作っていて、冬は柑橘ですね」というようなザックリとした説明をすると、「じゃあ夏は何してるんですか?」とさらに聞かれたりします。それで「だいたい草払いしてます」と答えると、なぜかちょっと失笑を買うときがあるんですよ(被害妄想かもしれませんが)。

たぶん、草払いのような単純作業はまともな成年男子の仕事ではなく、シルバー人材センターかなんかに委託するべき仕事だと思っているんでしょう。

でも、草払いってかなりきつい仕事です。刈るのは機械でしょと思うかもしれませんが実は結構体力を使うんです。しかも腕力ではなく(腕力も使うけど)心肺機能! ハアハア言いながらやってますよ! 冬はそうでもないですが夏は本当にきつい!

そして、本州以北の方にはあまり伝わらないと思うのですが、南九州は草が伸びるのが本当に早いです。気温はそんなに変わらない(というか夏は関東の方が暑いくらい)はずなんですが、雑草がなぜか元気ですね、南九州。本当に草がバカみたいに伸びます。それで、私は除草剤を使わないことにしているので、いつも草払いに追われています。

しかも、私の圃場は石がたくさんあったり、傾斜地だったり、法面が多かったり、とにかく条件がよろしくないところが多いです。草払い機につけるチップソー(刃)がすぐにダメになります。10時間持たないことが多いですね…。

それはまだいいとしても、ウイングモアー(芝刈り機みたいな機械。草刈りの手間が1/3くらいになる)がしょっちゅう壊れて、整備→壊れる→整備→壊れる…という無限ループに陥ってしまっているのは本当頭が痛い問題です。お金も時間も使いますし…。

というわけで、草払いという作業をバカにしてはいけません。農作物管理の基本は草払いだと思っています。