2016年3月17日木曜日

土壌消毒はしたくないけど連作障害も困ります

シナシナ〜となってしまった葉っぱ、これ何だと思いますか?

私は先輩農家Kさんからハウスを貸してもらって、特産の「加世田かぼちゃ」を栽培しているのですが、今年は特に出来が悪そうです。

Kさんも、「ハウスを建てた当初はたくさん収穫できたけど、年々成績が悪くなっていってさ…」と言って、元々かぼちゃのために建設したハウスの半分が、今ではスナップえんどうを作っています。

そう、これは連作障害というやつです!

毎年同じ作物を同じ畑で作っていると、どんどん生育が悪くなってしまう現象、それが連作障害。

この場合、かぼちゃの根っこを食べてしまうネグサレセンチュウという微小生物が連作によって増えてしまい、葉が茂る頃に根っこをギッタギタにしてしまうのです(文字通り根っこが腐る)。根っこは、植物にとっての内蔵にあたります。根っこがやられてしまったら、当然収穫も期待できません。というか、早晩枯れます。

だから、作付の前に土壌消毒をしっかりするんだぞ! とベテラン農家からよく言われます。当たり前ですね。でも、土壌消毒、したくないんですよね…。土の中にいる生物を皆殺しにしてしまうので、環境に悪いのはもちろん、植物の栽培ということだけを考えてもそれでいいのかな…と思ってしまいます。

でも土壌消毒は偉大であるとも思います。年々収穫できなくなっていく畑って、農家にとったら悪夢みたいですからね。土壌消毒剤のピクリンが開発された時、農業業界から大変な歓迎を受けたそうですがその気持ちよく分かります。でもこのピクリン(クロルピクリン)って、元々は戦争で使われた毒ガス剤なんですよ。うーん、やっぱり使いたくない。(ピクリン以外の土壌消毒剤もありますけど。)

もちろん連作障害に対して何も対策をしていなかったわけではありません。今回はセンチュウを抑制する機能があるエン麦を前作に植えてみました。効果は、、あるような、ないような……。結論としては、やっぱり連作はしない方が安全、ということなんでしょうか。

でも特産品というのは、どうしても連作になりがちですよね。たくさんの圃場を持っていてローテーションできる篤農家ならともかく、零細な規模で農業をしている場合は…。それに農業では「むしろ連作こそいいんだ!」という理論もあるので、どうすべきか迷うところです。

農業も迷いの連続です。

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