2018年3月19日月曜日

小さな小さな花園

田んぼの準備が始まりました。春ですから。

皆さんは秋に堆肥を撒きますが、私はこの時期に堆肥を撒きます。といってもほんの少し、気持ち程度。私は田んぼに化学肥料を入れないので、堆肥も少しでよいという考えです。

そして次は耕耘。いわゆる「田起こし」ですね。

以前は、「田起こし」といっても単なる耕耘という意味しか受け取っていなかったのですが、最近、「冬は土が寝ていて、それを起こすんだな」ということが分かってきました。

「土が寝ている」というのは、科学的に言ったら「土壌微生物の活動が低調で、物質循環の速度が遅い」ということになります。

私は、冬の間、田んぼの土がスヤスヤと寝ていることが重要なんじゃないかと思っています。何しろ、水稲だけでなくて穀物類は植えてしまうとほとんど手を入れることが出来ません。だから植える前の管理というのがとても大事です。

そして「土がスヤスヤと寝ていた」ことの証明が、小さな花々が田んぼに咲き誇ることではないか、というのが私の考えです。いろいろ理屈は思いつきますけど、そんな気がするんです。

頻繁に耕耘して植物が生えていないようだと、それはそれで土が疲れている感じがするし、一方で大きな雑草が繁茂してしまうと土の眠りが浅いのです。小さな雑草がわーっと一面を覆い、ところどころに小さな花が咲いているくらいが、ちょうどよいスヤスヤな土の眠りなんだと思います。

今年の冬は、田んぼの状態がそんな風になりました。別に私が的確な管理をしていたわけではなくて、雨の降り方や耕耘のタイミングなどいろいろよい条件に恵まれたからだと思います。こういう時は耕耘が楽しい。

ところで、もちろん冬の間の田んぼの管理といってもいろいろな考え方があり、「一年中水を入れていた方がいい」という人、「たくさん耕耘する方がいい」という人、「耕耘は全くしない方がいい(不耕起栽培)」という人、本当にいろいろです。何が正しいのか、よくわかりません。

でも私は、田んぼが始まるこの時期の、この小さな小さな花園が好きですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿