2025年3月20日木曜日

【重要】「南薩の田舎暮らし」のオンライン・ショップが引越しします。


「南薩の田舎暮らし」のオンライン・ショップが引越しします。

新しいショップはこちらです。ブックマークをよろしくお願いします。

■南薩の田舎暮らし :農産物を販売
https://nansatz.stores.jp/

■books & cafe そらまど :ジャム・シロップなどその他を販売
https://books-soramado.stores.jp/

上の通り、まず大きな変更点としてショップが2つになります。

どうして2つに分けたのかというと、これまで使用していたサービスと異なり、送料の設定がシンプルにしかできないため(←複数個口の設定ができない)やむをえずこのようにしました。

次に、メールアドレスが変わります。これまでのアドレスは2025年9月で使用できなくなります。今後のご連絡は、新「南薩の田舎暮らし」のサイト下部にあるメールマークから飛ぶ問い合わせフォームでお願いします(新アドレスで返信します)。

これにともなって、メルマガの再登録をお願いします(当店では「お知らせメール」と言っていました)。旧メルマガの登録データは引き継がれません。

登録のやり方は以下の通りです。
(1)新「南薩の田舎暮らし」にアクセスする。
(2)新規会員登録する。← PC版:画面右上、スマホ版:左上のメニューから
(3)新規会員登録の画面で「ストアからのメールマガジンを受け取る」にチェックする。
※「ストアからの~」の下にある「セールや新着情報のお知らせを受け取る」の方は、当方が新しい商品を掲載した際や、商品に割引設定を行った際など、特定条件のもとで自動送信されるメールです。

これまでと違い、会員登録しなくてはお知らせメールが受け取れません。面倒ですがどうぞよろしくお願いします。

注意:「南薩の田舎暮らし」と「books & cafe そらまど」の両方に会員登録をすると、それぞれメールマガジンを選ぶことになります。当方では、どちらのサイトでも基本的に同じ内容のメルマガを配信する予定なので、メルマガ登録は一つでかまいません。「南薩の田舎暮らし」の方で登録してもらえると助かります。

なお、「メルマガ登録は面倒だ」という方は、SNSのフォローがおすすめです(完全に同じお知らせをするわけではありませんが)。

■Facebook:南薩の田舎暮らし @nansatsu.kurashi ←基本
■Instagram:南薩の田舎暮らし @nansatz ←販売のお知らせなど
■Instagram:books & cafe そらまど @books_soramado ←お店の営業情報がメイン

次に、それぞれのサイトでの主な変更点をお伝えします。

南薩の田舎暮らし

【重要】新サイトでは、1箱ずつ送料が加算されます。2箱以上ご購入する際は、「まとめ買い用」の商品を準備しますので、そちらをご購入ください。

決済方法代引きがなくなります。また、銀行振り込みの口座が変わります。正確には、当方への振り込みではなく、ご購入のたびにシステムが用意した口座へ入金いただく形になります。また「あと払い(ペイディ)」「PayPal」「キャリア決済」「楽天ペイ」「PayPay残高」が使えるようになります。クレジットカードやAmazon Payは引き続き使えます。

books & cafe そらまど

商品をいくつ買っても送料は変わりません。一方、決済方法は上述と同様です。

また、これまでは自著等の限られた本しか売っていませんでしたが、こちらのサイトでは本や雑貨なども取り扱いたいと思います(そんなにたくさんではないと思いますけど)。

なお、両方のショップで共通ですが、この機会に送料を100~200円値上げします。これまで実費より少し安く設定していたのが、実費相応にしたものです。関東への送料は変わりません(これまでも実費相応だったため)。

ショップ引っ越しの理由

これまでのショップは、GMOペパボという会社の「カラーミー」というサービスを使って構築していました。「カラーミー」の利用料は2021年まで年間約1万円でしたが、2022年にこれが3万円に値上げされ、さらに2024年には約6万円に値上げされました。またクレジット決済等はGMOイプシロンというサービスを使っていたのですが、ここも値上がりが続き、2025年3月からは年間約5万円かかるようになりました。つまり、これまでのショップの年間維持費が約11万円になったのです。

つまり、2021年までの利用料は年間1万円ちょっとだったのに(GMOイプシロンの料金は利用に応じてだったので安価)、たった4年で維持費が10倍になってしまったんです。これはキツい。

当店は、無農薬・無化学肥料の農産物を中心に販売していますが、比較的安価な価格にしてきました。その上、栽培技術が未熟なこともあって、これまで収益がよくありませんでした。率直に言ってあまり儲かっていません。なので年間11万円の維持費はちょっと無理です。

そこで、引き続き比較的安価な価格を維持していくため、ショップの引っ越しを行うことにしたのです。引っ越し先は「STORES(ストアーズ)」というサービスですが、これは月額基本料は無料で、決済ごとに約5%手数料が引かれる方式です(GMOイプシロンでも決済手数料は引かれていました)。

ただし、「比較的安価な価格を維持」といっても、これまであまり安すぎた部分があるため、ショップの引っ越しと併せて農産物の価格改定を行う予定です。これまでも徐々に値上げはしてきましたが、グッと上げるつもりです。具体的な価格は未定ですが、ご理解いただければ幸いです。

最後に

これまでのサイトは、自分でHTML/CSSを書いて構築しました。自分でいうのもなんですが、手作りサイトにしてはよくできていたと思います。そして、これまでのサイトを通じてご購入いただいたお客様は、2025年3月18日時点で1165人もいます。たくさんのお客様にお越しいただき、ご縁をいただきました。10年以上続けて、ここまで育てて来たサイトを金銭面のことでやむなく閉鎖することになり残念ですし、慣れていたお客様にも申し訳ない気持ちです。

ただ、金銭面以上に、GMOペパボ/イプシロンの雑な値上げ(一気に何倍にも!)に直面して、零細顧客を切り捨てる信用できない会社だと思ってしまったことも大きいです。正直、サービスを使い続けたい気持ちがなくなってしまいました。

それはともかく、2025年9月まではこれまでのサイトも併存して、なるだけ多くのお客様に告知したいと思います(販売は新サイトを中心に行います)。心機一転して、改めて頑張っていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2025年3月11日火曜日

第16回そらまどアカデミア「フランスでアーティストとして生きる、これまでと、これからのこと」を開催します!


4月13日(日)そらまどアカデミア開催します。

今回は、フランスで活躍する書家のYoko Wataseさんにご登場いただきます。

"フランスで書家"というのが、まずビックリですよね! 

そして冒頭の作品をご覧ください。これが書……!? と感じる方もいると思いますが、すごくステキじゃないですか? 

これが全体像です(たぶん)。

うーん、すばらしい。石川九楊(きゅうよう)さんという有名な書家がいますが、石川九楊さんの『歎異抄』(←すごく有名な作品なのでググってみてください)を見て以来のトキメキを感じました。

その他の作品も、Yoko WataseさんのWEBサイトで見てみてください。

【参考】Yoko Watase 
https://yokowatase.com/

しかし、Yokoさん、書家になろうとしてフランスに渡ったのではなく(←当然です!)、不思議な巡り合わせから書の世界で生きるようになったのだそうです。講演では、どうしてフランスで書家になったのかを糸口として、創作について語っていただきます。

そして実は、Yokoさんの個展も同時期に開催されます。頴娃の「ギャラリー蛇足」にて、4月1〜20日で個展が予定されているのです。ぜひあわせてご観覧ください。


会期:2025/4/1(火)〜20(日)
時間:日・火 14:00 - 17:00/土 19:00 - 22:00
会場:ギャラリー蛇足(南九州市頴娃町上別府2196−2)
観覧無料
https://www.gallerydasoku.com/gallery/exhibition_whats-on#h.ui5edela5kft

さて、それではフランスで書家のYokoさんが、どうしてそらまどアカデミアでお話ししてくれるのかというと…

実は、Yokoさんのご実家とそらまどがとっても近いんです! というか、私(南薩の田舎暮らし/そらまど 窪)の農業用倉庫から、ご実家が見える位置にあります。もちろんお父様とお母様もよく知っています。 

そしてYokoさんは、パートナーとともに現在2年間の限定で帰国中。こんな機会は文字通りめったにないので、「あんまり話は得意じゃないから」と渋るYokoさんに懇願して今回の講演が実現しました。

ちなみに、パートナーのジルダさんは、日本滞在中のことをマメにブログに書いています。うちの近所が舞台になっているのに、写真の切り取り方がとても上手くて、何か別のステキな場所について書いてあるみたいなブログです。

【参考】Minami mitai(南みたい)
https://minamimitai.fr/

ちなみに先日、Yokoさんのフランスでの習字教室の生徒さんとオンラインで交流する機会があったのですが、フランスでは日本文化に興味が持たれているんだなということを強く感じました。特に12歳くらいの男の子が「好きな日本のマンガは『呪術廻戦』」と言っていたのにはびっくりしましたね。翻訳が早い!

そんな、フランスにおける日本文化やアートについての話も聞けるんじゃないかと思っています。ぜひご参加下さい。

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第16回 そらまどアカデミア

フランスでアーティストとして生きる、これまでと、これからのこと

講 師:Yoko Watase

フランスで 15 年続けた通訳・翻訳の仕事が導いてくれたのは、驚くことに創作の世界だった。
幼少期から親しんできた筆・墨・紙を使い、フランスで新しい「線」世界を生み出すための、これまでとこれからの挑戦を語る。

日 時:4月13日(日)14:00〜15:30(開場13:00)
場 所:books & cafe そらまど (駐車場あり)
料 金:2000円(ドリンクつき) ※中学生以下無料
定 員:15名
要申込申込フォームより、または店頭で直接お申し込みください。※中学生以下は無料ですが申込は必要です。
問合せこちらのフォームよりお願いします。

<講師紹介>
南さつま市大浦町出身。7歳から書道を始める。1999年に語学留学のため渡仏。日仏語翻訳・通訳の仕事を経て、10年前より創作活動に専念。以来、個展を通して作品を発表し続けている。www.yokowatase.com

2025年3月1日土曜日

「10年に一度の寒波」は、来る時期が悪かった

先日、鹿児島では「10年に一度の寒波」がやってきました。

「10年に一度」は、別の言葉でいえば「時々来る」というものですから、まあ、それほどたいしたもんじゃないですよね~。が! 来る時期が悪かった。

今年は「10年に一度の寒波」が2月中下旬に来てしまったんです。

2月下旬は、鹿児島では次第に暖かくなっていく時期です。一番寒いのが大寒(1月下旬)あたりですから、厳しい寒さが過ぎてから1か月後も経っているわけです。私はかぼちゃの種を1月末に播種しますので、2月は育苗期間になります。当然、ビニールハウスの中ですよ。しかし、この寒波のせいで、かぼちゃの苗が半分ほどやられてしまいました。

じつはその前に、自分自身の管理ミスによってちょっと苗が弱っていたんですね。そもそも播種からあまりに低温が続いたため、通常5日で出そろう発芽に10日もかかり、例年よりだいぶ弱い感じでした。そこに「10年に一度の寒波」が来て、苗が半分死亡してしまったというわけです。トホホ…。

しかし! すでに畑の準備はしております。堆肥も入れているし、元肥も入れています。なので、苗を植えなかったらそれが丸損になります。

なので、気持ちを切り替えて、畑に改めて種を植えることにしました。ポット苗をつくって定植するより、直播の方が成長が早いからです(ですが、ハウスの中の管理ではないので不確実性が増します。もちろん霜にも弱い)。早速、昨日播種を終えました。

と思ったら、今日(3月1日)は、1週間前まで最高気温が6℃とかだったのが信じられない春の陽気。いきなり季節が変わりすぎです。最高気温が20℃超えてるので、今度は逆に苗が高温で傷まないか心配になってきました…。このように、ジェットコースターのように変わる天候に振り回されております。

今年のかぼちゃ栽培は出だしから躓いていますが、これからは天候に恵まれて豊作になりますように!!

2025年1月21日火曜日

数十年に一度の不作の年

遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

鹿児島は、今年の元旦から4日ほどはたいへん穏やかな天気で、こんなに穏やかな正月はちょっと記憶にないくらいでした。最高のお正月を迎えられたと思います。

しかし、正直に言うと、私自身は元気がありません。昨年の記事に書いた通り、主力商品の柑橘類が大不作のためです。ポンカン・タンカンは平年の1割くらいしかありません。

【参考】「ないじゃ、なっちょらん!」|南薩の田舎暮らし ブログ
https://nansatz-kurashi.blogspot.com/2024/11/blog-post_9.html

じつは、この不作は私だけではなく、地域全体が大不作なのです。加世田のスーパー「ニシムタ」では、年始に大浦ポンカン5㎏が5,980円(税込みで6,458円!)でした。しかもこれ、「これが贈答用…⁉」っていうくらいの、見た目も(たぶん中身も)よくないやつです。こんな価格は初めて見ました。それだけ不作っていうことです。

そもそも今年は不作な年だったのですが、その上で大被害を及ぼしたのが夜蛾(やが)でした。(上にリンクを貼った記事では「カメムシ被害」と書いていたのですが、後にこれが夜蛾であることが明らかになりました。)

夜蛾とは、文字通り夜にやってきて果汁を吸う蛾です。普通の年では、これは中晩柑(年明け以降に収穫する柑橘)には被害がないのです。ところが、今年は夏が異常に暑くてしかも長かったからか、夜蛾が大量発生し、その活動期間がまた長かったようです。この蛾に果汁を吸われてしまうと、果実が腐って落ちてしまうという致命的な被害があるのです。

津貫で60年くらい柑橘農家をしている方も、「自分が子供の頃も含めて70年は柑橘栽培を知ってるけど、こんな年は初めて」と言っていました。この方も収穫が例年の2割くらいしかなかったそうです(ちなみに夜蛾には使える農薬がほぼありませんので慣行農法でも被害は大きいです)。そんなわけで自分だけが不作なのではなく、地域全体が運命を共にしているので、せめてものなぐさめ(⁉)になっております。

しかし、話はこれで終わりではありません。今年は、イノシシの被害と、鳥害(ヒヨドリ)が例年になくひどい!! 1月の始めからヒヨドリが果実を食べ荒らしている年というのは、ちょっと記憶にありません。そもそもヒヨドリが多い上、なっている果実は少ないので、被害も大きいのです。不作だからって、ヒヨドリが手加減するわけではないですからね。

そんなことで、例年は1月中はほとんど鳥害を受けないタンカンが、驚いたことに半分くらいヒヨドリに食べられてしまいました。ただでさえ不作なのに、これは無慈悲…。しょうがないので、収穫適期にはまだ3週間以上ありますが、このまま全部食べられてしまうよりはマシと判断し、タンカンやしらぬいはやむなく収穫しました。

つまり、まとめるとこうです。
・今年は、南薩の田舎暮らしの柑橘類は例年の1割しかありません。
・しかも品質もいまいち。
・タンカンやしらぬいは、かなり早採りしています(後日販売するとは思いますが、まだ販売はしていません)。

ただし、ブンタンだけは豊作になっていますので、今年は代わりにブンタンをぜひお買い求めいただければと思います(後日販売)。

なお、ニシムタでは5㎏が6,458円でしたが、当店では今年は値段は据え置きです。(本当は値上げしたいですが、品質がいまいちなので値上げしきれません。)どうぞよろしくお願いいたします。

↓ご購入はこちらから。
【南薩の田舎暮らし】無農薬・無化学肥料のポンカン
今年は数量限定です。4.5㎏入り(2,900円)のみの販売。

2024年12月12日木曜日

シーシュポスの神話

先日、柑橘畑に行ったら、こんな風になっていました。

畑全体が穴ぼこだらけ。イノシシのしわざです。

この光景を見た瞬間、「ガザ地区」が心に浮かびました。一夜にしてめちゃくちゃにされてしまう悪夢。もちろん、この畑とガザ地区の被害とは比べものになりませんが、まるで爆撃されたような穴ぼこだったのです。

ちなみにここは、柑橘の苗木を植えている区画ですが、幸いにして完全に倒れた苗木はなかったです(ただし根をブチブチちぎっている)。イノシシが意図的に苗木を避けてくれた……わけはなく、偶然でしょう。不幸中の幸いです。

なお、このようにボコボコにされてしまうと、機械が入れないため、大変ですが穴を埋めます。鍬一本の作業です。半日かかってしまいました。

こちらはブンタン畑の様子です。

ちょっとわかりにくいですが、画面右上から右下に延びている、葉っぱもなにもついていない枝があります。

じつは、この枝にはたくさんの実がついていました(もちろん葉っぱも)。イノシシが、その実を全部食べちゃったのです(葉っぱは、ウサギが食べたのかも)。

こんな感じで、だいたい胸から下にある果実は全部食べられてしまいました。

下に垂れ下がった枝は「下垂枝(かすいし)」といって、そもそもあまり好ましくない(地面に果実がついたりするため)とされていますので、私の管理の責任もありますけど、それにしてもむごい。ただでさえ今年は柑橘が不作だというのに、唯一豊作になっているブンタンを何十キロか分食べられるとは…。

こちらは、「河内晩柑」というブンタンの畑です。ここでも同様、地面近くの果実は全部食べられてしまいました。

というか、地面近くじゃない果実まで枝を折って食べています。

河内晩柑は、今季初収穫を迎える品種です。全体的に柑橘が不作な中でも、初収穫というのは今後の希望になるものなんですが…なんとついている果実の半分以上(!)を食われてしまいました。まだ若木だから樹高が低いためです。しかも枝も折られてしまって。どうしようもありません。

こんな風に、今年は柑橘類のイノシシ被害がとんでもないことになっています。例年、こんなに食べられることはないのですが。

『シーシュポスの神話』というアルベール・カミュの作品があります。神の怒りをかったシーシュポスが、大きな岩を山頂まで押して運ぶという罰を受ける話です。しかしこの岩は山頂に来るとまた転がり落ちてしまい、また最初からやり直しになる…という、なんとも徒労感のすごい罰なのです。

まさに今年の柑橘栽培は、シーシュポス感がありました。一年間管理してきた果実がかなりの割合でイノシシに食われるとは……。

もちろん、農業とはそんなものだ、といえばそれまでです。これまでも虫害、鳥害などでかなりの被害をたびたび受けてきました。でもイノシシは虫害や鳥害などよりずっと腹が立つのです。

なぜなら、イノシシは畑を穴ぼこだらけにしたり、苗木を倒したりといった栽培の妨害・邪魔をするのに、果実もちゃっかりいただくからです。果実が欲しいなら栽培の邪魔はしないでほしい! むしろ草取りとかするなら、ちょっとぐらい分け前をあげてもいいのに…。

一方、鳥たちは果実は食べますけど、栽培の邪魔はしません。虫は、うまくやれば被害を防げます。鳥や虫はまだ許せる。でもイノシシとの共存は不可能!

年々、イノシシ被害がひどくなってきています。過疎化によって町(というか村)が小さくなり、山との距離はほとんどゼロになってしまいました。イノシシは豊かな山の恵みによって野放図に繁殖し、我が物顔で人里をのし歩いています。

来年は同じことにならないよう、剪定のやり方を工夫してみるつもりです。

2024年11月18日月曜日

第15回そらまどアカデミア開催しました。「台湾華語」を話す島、台湾


第15回そらまどアカデミア開催しました。

今回の講演は、なんだか申し込みが少なかったのです。「台湾に興味ある人少ないの?」と思っていたのですが、南日本新聞にお知らせを出したところ、新聞社の方から「タイトルが読めないんですけど…?」と言われてハタと気づきました。

今回のタイトルは「你好臺灣, 空尼機挖ジャパン」。「ジャパン」以外ほぼ読めない…⁉

「臺灣」をタイワンと読めない方も多かったようです。せめて「台湾」と書いておけばよかった。「空尼機挖」は、台湾の漢字の発音で「コンニチハ」を当て字にした言葉遊びでしたが、ちょっと凝りすぎましたね…!

というわけで申し込みは少なかったのですが、講師の張さんの知り合いが何人も来てくださって、その中には台湾人の方も2名いました。ありがたかったです!

講師の張 巧瑩(チョウ・コウエイ、愛称あきら)さんは、台湾の高雄市出身。南台科技大学で日本語を学び、指宿で就職。今年夏から南さつま市役所の国際交流員として働いています。この度、南さつま市では台湾の旗津区(キシン区)というところと姉妹都市協定を締結することとしており、その架け橋になっているのが張さんです。

台湾は九州とほぼ同じ面積で、九州の人口より約1000万人多い2300万人が住んでおり、しかも人口の多くが島の西部に集中しているため、とても人口密度が高いんだそうです。そんな中で、旗津区はたった1.46㎢の面積に2.8万人の人が住んでいます。ちなみに南さつま市の面積は283㎢、人口は3.1万人。人口密度は100倍以上の開きがあります!

そんな旗津区は、なんとすっごく細長い島なんです(本来は半島だが現在は分離されている)。こんなところに2.8万人も住んでるなんて面白いですね。人口島ではなく自然の地形のようですよ。

ちなみに旗津区と南さつま市が姉妹都市を目指しているのは、サンドアート(砂の祭典)のご縁があったからだそう(ただし、旗津区では現在サンドアートのイベントは行われていないとか)。

今後、旗津区と南さつま市にどんな交流が行われるのか、張さんの今後の活躍が楽しみです。

さて、張さんは、大学時代から14年間日本語を学び続けてきました。張さんの日本語力は「日本語能力試験(JLPT)」のN1級。これは同試験における最上級で、張さんはちょっと話した感じだと日本人と見分けがつかないくらいです。

そんな張さんでも日本語はとても難しいらしく、「適当にしゃべってます!」と笑っていました。

日本語の難しさとは、まず同じ漢字でも読み方がいくつもあること。例えば「今日は一月一日、日曜日。明日から日下部さんと五日間の旅行はよい日和だそうだ」という文の「日」の読み方はそれぞれ違います。「日曜日」なんて「にち」と「び」で一つの単語の中で2つの読み方をしています。

この文はちょっと特殊な読み方の「日」ばかりが意図的に入ってますが、「祝日(ジツ)」「日(ニッ)蝕」なんかは普通の読み方ですけど、こういうのもいちいち覚えないといけないのは外国人にとっては大変です。「日本」には「二ホン」と「ニッポン」という二つの読みがあっても、「ニポン」とは言えないとか(笑)。まあ、漢字の読みは日本人でも難しいですけどね。

次に謙譲語や尊敬語の使い分け、助詞の使い方、一人称の異常な多様さ(俺、僕、私、わし…)、こうしたことにしょっちゅう困惑しているとのことでした。その上、鹿児島では鹿児島弁があるので、方言がきつい人の話は「半分くらいしかわからない」とのこと。張さん、安心してください。鹿児島生まれ、鹿児島育ちの私でもそうです!!(笑)

一方、台湾の言葉もなかなか複雑です。というか、すごく複雑です!

そもそも、台湾は多民族国家です。国家らしいものがなかった原住民の時代、中国の沿岸部(泉州、福州)などから華僑の人たちが入植してきました。そして大航海時代にはオランダ人が台湾にゼーランディア城を築いて植民地化します。これを打倒したのが明の遺臣だった鄭成功(人形浄瑠璃『国性爺合戦』の主人公ですよね)。その後清朝が台湾を支配し、中国人の入植にともなって原住民は台湾西部の山岳地帯へと追いやられていきました。その後いろいろあって明治時代に日本が台湾を植民地化します。この「台湾出兵」で大将を務めたのが鹿児島出身の樺山資紀(かばやま・すけのり)で、樺山は初代の台湾総督となりました。戦後、台湾は日本の支配を離れますが、中国共産党との戦いに敗れた中華民国が台湾に逃れ、現在の台湾の政権となりました。

このような歴史があるため、台湾は様々な民族と文化が複合した国となりました。では、他民族国家である台湾の言葉はどうなっているか。

台湾では、「台語(台湾語)」=古い時代に台湾に入植した人々により話されていた言葉をベースとして日本語などが取り入れられた現地語、「客家語」=客家(ハッカ:漢民族の一派)の言葉、「原住民語」といった言葉が話されています。つまり台湾は多言語国家でもあるのです。そして、その共通語となっているのが「台湾華語」です。

この多民族国家の共通語「台湾華語」は、どのように形成されたものなのでしょうか。

まず、「華語」というものがありました。これは中国はもちろん、シンガポールやマレーシアなど東南アジア各地に広がっていった華僑の人たちが使っていた中国語です。かつて東アジア海域の共通語(リンガ・フランカ)であったのが「華語」です。

そして、台湾が独立した時に、多言語国家の「国語」として設定したのがこの「華語」でした。台湾政府は国語辞典を制作して「国語」を定め、ある時期には方言禁止運動を行って、学校で方言をしゃべったら罰金を払うというような政策を行っていたこともあります。鹿児島でも60年ほど前、方言撲滅のために「方言札(私は方言をつかいました、という首から下げる札)」を使っていた時期がありますが同じですね。

このようにして「国語」の普及に取り組んだ結果もあり、今では台湾全土の人が台湾華語を使うことができるようになっています。では、台湾華語は中国語とは違うのか。

ここでいう中国語は、中華人民共和国政府が「普通話」として定めている言葉ですが、台湾華語と中国語は問題なく意思疎通できるものの、やっぱり違うもの。その違いについて張さんは「イギリス英語とアメリカ英語みたいなもの」とおっしゃっていました。

そもそも「普通話」は、中国政府が人為的に設定した部分も大きく、例えば漢字を「簡体字」という簡易化したものに変えてしまいました。

一方で台湾華語は、頑なに画数の多い漢字を守り続けています(だから臺灣が読めなかった!(笑))。そうかと思えば、積極的に外来語を取り入れているという側面もあるそうです。特に日本統治時代の名残として日本語由来の単語も入っており、たくさんの例が示されていましたが、中でも面白かったのが「巴庫味阿(バクミア)」。何かと思ったら「バックミラー」だそうです。これは中国では通じないですね、きっと。

……というのが台湾華語ですが、面白いのが「台湾華語」というようになったのはせいぜい15~20年前からに過ぎない、ということです。じゃあ、なんで最近になって自分たちの言葉を「台湾華語」と呼ぶようになったのか、というと、それには対外的な意図がありました。つまり、自分たちの言葉を「中国語」ではなく、「台湾華語」として世界に認識してもらいたい、という願いが込められているのだそうです。

このような話をきいていると、私は「言語は、極めて政治的なものである」ということ改めて感じずにはいられませんでした。

ドーデの『最後の授業』(フランスのアルザス地方がドイツに占領されたことでフランス語が禁止される話)に象徴されるように、支配者が被支配者の言葉を奪ってしまうことはよくあります。方言禁止運動もその一つですね。

それは、少数民族や地方の人たちを単にいじめているのではなく、言語の統一が国家のアイデンティティの確立につながるという重要な側面があるからです。しかし台湾でも、現在では方言禁止運動が反省され、全ての言語は等しく価値があるという、多様性を認める方針へとなっています。そんな時代に「台湾華語」という呼称が改めて設定され、対外的に推進されているのは、「中国語」に対抗しようという意図があるようです。

「中国語と台湾華語」を「イギリス英語とアメリカ英語」のような対等な関係に擬(なぞら)えることも、台湾の言葉の国際的な重要性を大きく引き上げようとする意志の現れなんでしょうね。

ところで話が変わるようですが、香港では、中国への返還後、民主的なものが弾圧される状況になっているのはご承知の通りです。そこで香港では、広東語を大事にすることによって精神的独立を保とうとする運動があると聞きます。言語は権力に対抗する武器にもなるということです。

民族・国家・文化の根幹には言語があります。言葉は、共同体を他と区別する最大の標識です。しかもこれは、肌や髪の色と違って、自分たちの意思で変えていくことが可能です。台湾のみなさんは、自分たちがなりたい国になるために、あるいは「台湾」を世界に認識してもらうために、「台湾華語」を大事にしているのかなと感じました。

台湾には、なんと子供向けの「発音矯正塾」があるそうです。これは昔の方言禁止運動の名残かもしれませんが、同時に言葉を大事にする姿勢の現れなのかもしれません。

ところで最後に面白い話を一つ。先述の通り、張さんは台湾の高雄(たかお)市のご出身ですが、なんで「高雄」は訓読みなんだろうと疑問に思っていました。日本語で読むときは、台湾でも中国でも、地名は音読みなのが普通ですよね? と思って張さんに聞いたところ、張さんはご存じなかったのですが、参加された台湾人の方が教えてくれました。

それによると、高雄のもともとの地名は「打狗(ダァカオ)」だったそうです。それが、日本統治時代に、この字面がよくないということで日本人が「高雄」に変えました。だから「タカオ」の方が元の地名の発音に近く、「コウユウ」では全然異なってしまいます。そんなわけで、高雄は、日本語では訓読みにするのが正解なのです! 台湾は日本統治時代を否定するでもなく、フラットに捉えて活かしているのがたくましいというか、大人だなと思います。

なお、台湾華語の位置づけについての話は、講演でよくわからなかったため、上記のメモでは講演後に教えてもらったことも加えて書きました。また、言語に政治的な意味合いを見るのはあくまでも私の個人的な見解で、講演では「台湾にある間違った日本語の面白い看板」など楽しい話が中心でした。こういう楽しい話はぜひ実際の講演で聞いていただければと思います(うちの子が大笑いしていました)。

そらまどは辺鄙なところにありますが、台湾よりは近いのでぜひお気軽にお越しください。

2024年11月9日土曜日

「ないじゃ、なっちょらん!」

今年の「南薩の田舎暮らし」では、ずいぶん柑橘類が少なさそうです。

というのは、ポンカンとタンカンはまず、春の段階で花があまり咲きませんでした。

ポンカンについては、昨年が豊作だったのでその影響があったのと、あと以前も記事に書いたことがありますが、ナガタマムシという虫の害をかなり受けていて弱っているためもあります。

が、地域全体としてもポンカンは不作のようです。夏くらいに、ポンカン農家の方に「今年はどうですか?」と聞いたら、「ないじゃ、なっちょらん!」(なんにも、なってない!)と言ってました。まさにうちもそんな感じ。「ないじゃ、なっちょらん!」

そんなわけで、今年のポンカンの販売は、あったとしてもごく少量なのでご承知おきください。

タンカンの不作ついては、昨年が豊作だったためもありますが、正直よくわかりません。というのは昨年豊作じゃない樹についてもあまり実がなっていないからです。春先の天候によるもののような気がします。さらに、今年は強い台風がきたので、外観が悪いものがとても多いです。というかきれいなものはほとんどないといってもいい有様。

そのほかの柑橘は、それなりの収穫を見込んで……いたのですが!

10月後半になって、果実がボトボトと落ちる被害が見られるようになりました。特にブラッドオレンジがひどい。樹によっては半分くらい落ちてしまいました。これはきっと、カメムシ被害です(写真参照)。

今年は全国でカメムシが大量発生しているという話です。鹿児島県では、例年に比べて劇的に多いという情報はなかったのですが、他の農家からも「カメムシ被害でミカンの実が落ちている」という話を聞いているので、やっぱり多いのかも。

そんなわけで、今のところ、ちゃんと収穫できそうなのは、ブンタンと河内晩柑の2種類だけです。

この2種類については、樹の生長もあるので、昨年より多く販売できると思います。ただ、それもこれからカメムシ被害がなければ……の話。ようやく寒くなってきたので、これ以上の被害がないことを祈ります。